富山県民へのアピール
止めよう!富山の医療崩壊、 解消しよう!医療現場の過重労働
日本の医療はこれまで、現場の医療関係者の懸命な努力でなんとか支えられてきましたが、ここに至って現場の医師のがんばりも限界を越えてきています。
産科・小児科をはじめとした多くの診療科で勤務医不足が顕在化し、妊婦・未熟児を含めた救急患者の受け入れ辞退による死亡事故の多発、各地のかけがえのない病院・病床の相次ぐ閉鎖など、まさに「医療崩壊」が大きな社会問題となっています。その最大の原因が、国が進めてきた20年以上にわたる医師数・医療費の抑制方針にあることは今や誰の目にも明らかとなってきました。
日本の医師数、特に病院医療を担う勤務医数が、国際的にみても絶対的に不足していることも、本日の講演と討論でますます明らかとなりました。
こうした状況の中、国は「日本の医師数は足りている」という永年の見解をようやく転換し、今年6月に医師養成数の増員を決定しましたが、医学部定員をわずかに増加させるだけでは、現在の「医療崩壊」や医療現場の過重労働が一朝一夕に解消できるほど簡単な状態ではありません。
医学教育の抜本的充実、指導医の養成・確保、医療機能の集約化、医師の事務負担の軽減、コ・メディカルスタッフの増員、女性医師が働き続けられる環境整備、診療報酬の大幅引き上げ、医療費削減方針の撤回など、短期・中期・長期にわたる財源に裏打ちされた総合的な施策をセットで実施してこそ、医療再生へと大きく舵を切ることができます。
私たちは、国に対して医療崩壊を食い止めるための実効ある措置を直ちにとることを強く求めます。
私たちは、今日を契機に医療関係者と県民、行政、議会、マスコミが手をとり合って、富山の地域医療再生をめざした新たな一歩を踏み出すことを心より呼びかけます。
2008年12月14日
県民公開講演会実行委員会