生きる希望を引き出すリハビリテーションへ
~リハビリ・マインドの共有を願って~
日時 2012年9月30日(日) 開場12:00 開会13:00 閉会16:30
開場 ボルファートとやま 2F 真珠の間(富山市奥田新町8-1)
リハビリへの熱い思いが参加者へ 対等な多職種連携による医療実践を 講師の石川誠氏が訴え
協会は9月30日、「高齢期のリハビリを考えるフォーラム」を開催し、医療・介護・福祉従事者158人が参加しました(共催:エーザイ株式会社)。
初台リハビリテーション病院理事長で、全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会会長の石川誠氏が「リハビリにかける熱い思いを語る」と題して講演しました。
石川氏は、佐久総合病院、虎の門病院分院に勤務したことで、地域医療、リハビリテーション医学、在宅ケアを実践したいという夢を持ち、高知県の近森病院にて苦労の中リハビリ従事者の365日勤務体制・病棟配属の整備、上下関係を作らず対等な多職種連携による医療実践に奮闘した様子を紹介しました。
リハビリは専門職だけが行う付加機能ではない
また、この間学んだこととしてリハビリは専門職だけで行う付加機能ではなく、基本的医療システムとして位置付けることが必要と訴えました。講演では、リハビリにおける診療報酬や介護サービスの利用状況等についても触れ、「リハビリはこれから質が厳しく評価される時代に入るが、リハビリはこれからも必要であり、まだまだ不十分な分野である」と強調しました。
在宅復帰後のモチベーション維持をどうするか
後半のシンポジウムは「在宅療養を支えるリハビリ」をテーマに室谷ゆかり理事が座長を務めました。
生活期のリハビリの現状と課題についての議論では、本人のモチベーション維持をどうするかが話題の一つになりました。入院・入所中は在宅復帰という目標のためにリハビリに取り組むものの、いざ在宅療養になると目標がなくなりリハビリが継続できないという悩みに対して、「その人が何をしたいのかを決めるための環境作りも専門職の仕事ではないか」「単に機能訓練を行うのではなく、本人が生活の中で何をしたいのかをしっかり考える必要がある」といった意見が出されました。また、増える高齢者と少ない専門職との関係についても議論になり、「専門職だけでやるのがリハビリではなく、多職種すべてが関わっていくもの」「専門職が関わる時間は限られており、リハビリスタッフは家族や多職種に(やり方等を)伝える力を強めていかなければいけない」との発言がありました。
(2012.10.5 とやま保険医新聞)