2018.03.22  歯科新点数検討会

新点数検討会に184人
質疑応答を交えながら改定内容を解説

過去最高の参加者数
協会は3月22日、歯科新点数検討会を富山電気ビルにて開催し、116医療機関から歯科医師109人、スタッフ75人の参加がありました。

開会挨拶をする三崎副会長

 開会挨拶で三崎広樹副会長は、「今次歯科改定はプラス0・69%とされたが、手術室レベルの感染防御を行い、懸命に取り組んでやっと算定できる点数ばかりだ」と述べ、複雑さを増しスムーズな診療を阻害する今次改定の問題点を指摘しました。

 続いて太田真治副会長が今次改定のポイントを解説。初再診料に設けられた院内感染防止対策や医科との連携を評価した「診療情報連携共有料」の活用の仕方など、ときに参加者と一問一答をしながら、具体例を交えて解説しました。
 閉会挨拶で堀比佐司理事は、「医院の平均点低下は経営不安定に繋がる。平均点が上がり個別指導に選定されても、治療内容を説明できれば問題ない」と述べ、患者に必要な治療はしっかり行っていこうと呼びかけました。

今次改定をどう見るか

複雑怪奇な改定一つひとつ内容の確認を

「改定のポイント解説」を担当した、太田副会長

講師    太田 真治

項目増加が顕著な歯科点数
今次改定は嫌な感触の改定である。スッと頭に入って来ないのだ。
小説『星の王子さま』の作者として有名なフランス人作家、サン=テグジュペリの言葉「完璧がついに達成されるのは、何も加えるものがなくなった時ではなく、何も削るものがなくなった時である」を厚労省担当者に伝えたいという思いである。こんなに太った白本(改正点の解説)にしてどうするのかい。

自院が基準をクリアできそうな届出項目を確認
さて内容の概観である。さながら「絵に描いた餅」と「毒饅頭」の新商品発表会の様相を呈し、加えて期間限定事前通告商品の有様である。
半年の猶予期間をあげるから、それまでに院内感染対策を施してお上に届け出よとのお達しである。
遂に施設基準の届出項目が30にもなった。がんじがらめの区別選別である。
ひと通り理解しようと試みたのだが頭にしっくりこないのは何故だろう。そう、大臣告示にある「注(算定の原則)」と通知の見直しが多すぎるのだ。
算定要件や評価基準、該当基準、対象手術、対象患者、時間要件、算定限度、併算定の可否項目、例外規定、レセプト摘要欄記載事項…こんな司法試験並みの法令条文を患者ごとに確認しなければならないのだ。同じくサン=テグジュペリの名言「僕の命を救ったのは、他でもない。このささやかなほほ笑みだったんだ」にみる安息の日々が来るのを期待するのは無理な歯科のだろうか。今回の改定に対応する方法を各自が整理していくしかないのだろう。

医科歯科連携とメタルフリー化を念頭に診療を
医科歯科連携として目を引いたのは、骨粗鬆症における骨吸収抑制薬投与中の患者について、歯科疾患管理料(歯管)の総合医療管理加算での管理で不幸にして顎骨壊死(骨露出)に至った患者は、歯科特定疾患療養管理料(特疾管)での管理という2段階対応になったということである。
歯科治療時医療管理料の対象疾患をみると、高齢者の大半が該当することに気づかされる。モニタリング管理のルーティーン化が有効だということだろう。
メタルフリー化の流れとしてCAD―CAM冠の大臼歯への部分導入と高強度硬質レジンブリッジの限定導入は、選択肢の多様化に対応するものとして歓迎したい。
歯科新点数検討会の説明を一人で対応するにはもはや限界かと思わされたのは、ひとえに自身の年齢的限界だろうが、2年後の次回改定からは複数で分担対応が必須と思わせられた改定である。
皆さんの検討と健闘を祈るのみである。

*以下は3/22の事前案内の内容です

2018年 診療報酬改定
歯科・新点数検討会

 今次歯科診療報酬改定は、感染予防に対する患者・国民の意識の高まりを受け、初再診料を引き上げた上で「院内感染防止対策に関する施設基準」が新設されます。これは全ての歯科医療機関に関わる大きな変更点となるものと見られています。
 協会は会員が今次改定にスムーズに対応できるよう、改定内容をわかりやすく解説する新点数検討会を下記のとおり開催します。先生とスタッフの皆さまの参加をお待ちしております。

日時 3月22日(木)19:30~21:00

会場 富山電気ビルディング 5階大ホール
         ※会場が前回と異なりますのでご注意ください

内容 ①今次改定項目のポイントと解説
   ②質疑応答と意見交換

対象 会員および会員医療機関スタッフ ※参加費は無料です。
   (協会に未入会の先生は事前または検討会当日のご入会が必要です)

お申込みは、お送りしているチラシまたはメール、電話にて