協会は6月10日、「個別指導への心構えとカルテ記載の重要性」をテーマに医科個別指導対策研修会を開催しました。
第1部は、大阪府保険医協会事務局次長の上原哲朗氏が講演しました。上原氏は、厚生局による指導の仕組みや実際の流れについて解説。実施通知が届いてから慌てて対応するのではなく、日頃から保険診療のルールを理解し、日常的に誤りがないよう気を付けることが重要だと述べました。
第2部では、平野誠副会長が、実際に県内の個別指導で指摘されている内容を紹介しました。毎年繰り返し指摘される傾向にある項目や自主返還の金額が高額になってしまうケースなど、特に注意が必要な事項を取り上げました。
参加者からは、「カルテ記載の重要性が身にしみてわかった」などの声が寄せられました。上原氏の講演要旨は次号掲載予定です。
研修会に参加して
理事 池本 雅仁
まず第1部の上原哲朗氏による講演では、個別指導に選定される要因について、医療機関従事者からの情報提供が重大な要素であることが衝撃的であった。また、実際の指導の場では適正かつ詳細なカルテ記載が求められていること、特に算定要件にカルテ記載を要する項目(点数)が最重要であることがよく分かった。
第2部の平野誠副会長の講演では、県内の指導の状況について、協会作成の資料を用いながら、実際の件数、指摘事項、通知書の現物、指導後の改善報告書の例なども含め具体的に示され、指導の実際についての理解が深まった。
また、カルテ記載の具体例も示され大変参考になった。これらの理解を踏まえ、仮に実際の指導を受ける立場となった場合には、適切な対応の一助となると感じた。
全体を通じて、指摘や疑義を受けないような適切な診療を行うこと。また、何よりも患者さんと医師自身のために診療内容をしっかりカルテに記載することが最も大切であると痛感した。加えて、自院のスタッフとの良好な関係を構築しておくことも非常に重要であると思った。
*以下は事前案内の内容です
実施通知が届いても慌てないために!
個別指導への心構えとカルテ記載の重要性
仕組みの理解と日頃の備えが大切です
厚生局が行う個別指導は、原則としてすべての保険医療機関が対象とされています。いつ実施通知が届いても慌てず対応するために、日頃から準備しておくことが必要です。
今回の研修会では、第1部で指導の仕組みや実際の流れ、注意事項、心構え等、保険医として理解しておくべきことを解説します。
第2部では東海北陸厚生局への情報開示請求で入手した最新の資料から、2019年度の個別指導等実施計画や前年度の指摘事項、自主返還項目の傾向とその対応策等について情報提供します。
日時 | 6月10日(月)19:30~21:15 |
第1部 | 知らなかったでは済まされない個別指導対策 ~事例とカルテ記載の留意点~ |
講師 上原 哲朗氏 (大阪府保険医協会事務局次長、『審査、指導、監査対策』編集担当者) |
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第2部 | 開示資料からみる 指摘事項の傾向と対応策 |
講師 協会講師団 | |
対象 |
医科会員 |
参加費 | 無料 |
会場 | ホテルグランテラス富山 4階(富山市桜橋通り2-28) |
参加申込・参考テキストの注文は、電話、メールまたはFAXにて