住衆議院議員が国会で質問

  住博司衆議院議員は11月9日(平成5年)、衆議院厚生委員会で、川腰医師「個別指導」事件に関連し質問を行ないました。この質問を前にして11月6日、住議員からの要請で協会との懇談が行なわれました。  

「県からの報告では、(暴言は)なかった」ー厚労省が答弁ー

 住議員から要請があって行われた協会との懇談は、11月6日協会会議室で開催された。協会からは、正副会長や「対策委員会」の役員が出席。席上、住議員は、「個別指導が開業医に相当のプレッシャーになっていることは、以前から承知していた。今回の自殺事件を機に、あり方の改善が必要との認識から、国会で質問する」と述べられた。
 協会側は、川腰医師への個別指導の事実関係等を詳細に報告。個別指導のあり方の改善の方向などについて約2時間懇談した。  
 衆議院厚生委員会での住議員の質問は、11月9日午前、約30分がこの問題にあてられた。協会は、保団連に傍聴を要請。以下、質疑の一部を速報する。

質疑

 住博司議員    事実経過や発言内容について(県から)報告を受けているか。

多田保険局長   県が指導事項について指摘をしたところ、医師は「わかりました」と言って、
        10月4日に「改善報告書」を提出し、自主的に返還したとのことだ。

住議員     (川腰医師に対する)個別指導の具体的な言動を聞いてみると、
        指導とは言えないのではないか。
       「監査を考える」とか「医者を続けられなくなる」とか、
        これが指導と言えるのか。

多田局長     県からの報告によると、そういうこと(暴言)は指導の席では
        発言していないのではないかと(県は)指摘している。

住議員     (技官は)どのようにして選ばれるのか。

多田局長     その任にふさわしい医師を、各都道府県知事が任命し、厚生大臣が発令する。

住議員      懇切、丁寧な指導とは何か。

多田局長     態度の問題だ。相手が納得して受容できるような指導をいう。

住議員      そこが重要だ。今回の場合、技官が非常に高齢だが、
        なり手がないと聞いている。
        懇切丁寧な指導が出来る技官を配置することが重要だ。

「80歳だが熱心さを評価」(厚生省)

多田局長    (一柳技官を)公務員としてそれなりの評価をしている。
        嘱託で80歳だが、熱心に職務を遂行していると聞いている。

住議員      現在の指導には記録性がない。
        言った、言わないの水かけ論に終わらせないためにも
        テープの持ち込みなどの改善をすべきだ。

多田局長     公開性とプライバシーの両立は困難だが検討したい。

住議員     今回の問題は、簡単な問題ではないが、納得でさる対処をお願いしたい。
        指導、監査は必要な制度だとは思うが、
        返還を目的にした指導であってはならない。
        このことを各都道府県に徹底してもらいたい。

   

 (1993年11月15日付特集号より)

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