性暴力被害者に医療者ができること
あなたを信じる、悪くないと寄り添って
協会は9月30日、ジャーナリストの伊藤詩織氏を講師に迎え、第14回女性部企画「『# Me too』から『# We too』運動へ~性暴力のない社会の実現を目指して~」を開催しました。講演後の質疑では、性暴力被害者に医療関係者はどのようなサポートを行えばよいか、との質問に対し、「急性的な処置を求めて、被害者がまず駆け込む先は医療機関になる。ぜひ『あなたを信じる、あなたは悪くない』と伝え、被害者に寄り添う態度を示して欲しい」と話しました。
ジャーナリスト 伊藤詩織さんが講演
伊藤氏は自身の出来事から数日間は、状況を理解できないパニック状態に陥ったと話し、その後、被害届を提出することで起こるであろう事態や二次被害を想像したと語りました。言わないこと、忘れることも生きていく手段の一つではないかと悩みながらも、やはりきちんと伝える必要があると考え、提出を決断したと当時を振り返りました。
数年経った今でも、ふとした拍子にフラッシュバックが起きると言い、被害者が抱える内面的な傷は大きい一方で、周りの理解は少なく、性暴力をなくすための法整備の必要性を訴えました。
被害者の身体的・精神的負担を少しでも軽減し、支援を行うワンストップ支援センターの必要性、充実についても言及。富山県が今年春に「性暴力被害ワンストップ支援センターとやま」を開設したことに触れ、今後の動きに期待したいと話しました。
講演会終了後には、伊藤氏も交えて女性医師・女性歯科医師ランチ交流会を開催し、好評でした。
*講演内容の詳細はこちら(会員専用パスワードが必要です)
*以下は事前案内の内容です
第14回女性部企画
「#Me too」から「#We too」運動へ
~性暴力のない社会の実現を目指して~
日時 2018年9月30日(日)11:00~12:20
会場 カナルパークホテル富山 4階
講師 伊藤 詩織 氏
(ジャーナリスト、ドキュメンタリー・フィルム・メイカー)
対象 医師・歯科医師・医学生、医療機関スタッフの方
*必ず事前にお申込みください
参加費 第1部…無料/第2部…3,000円
託児室 ご利用を希望の方は事前にお申込みください(有料)
講演会 11:00~12:20
講師 伊藤 詩織(いとう しおり) 氏
(ジャーナリスト、ドキュメンタリー・フィルム・メイカー)
ロンドンをベースに活動するジャーナリスト、ドキュメンタリー映像作家。主にジェンダーに基く人権問題に焦点を当てている。2018年には監督したドキュメンタリー作品「孤独死」がニューヨーク・フェスティバルで銀賞受賞。自身の受けた性暴力を題材に書いたノンフィクション「Black Box」(文藝春秋)が2017年10月に刊行される。同書は現在、韓国語に翻訳され、間もなくフランス語版と中国語版を刊行予定。
~講師よりメッセージ~
「伊藤詩織と申します。今回富山県保険医協会でお話できることを楽しみにしております。
現在私はロンドンを拠点にジャーナリスト、ドキュメンタリー映像作家として活動をしています。
今回は性暴力という中々話されないテーマだと思いますが、皆さんの大切な方にも突然起こり得る問題ですので一緒にこの問題について考えて頂けたらと思います。私自身の体験を元に被害後の日本の現状について主にお話させていただきたいので先に『Black Box』という私の体験を綴った本を読んで頂けたら事件について繰り返しお話する必要がないので幸いです。
皆さんにお会いできることを楽しみにしております。」
第2部 女性医師・女性歯科医師 ランチ交流会 12:30~14:15
伊藤詩織さんを囲んで、ざっくばらんにおしゃべりをして交流を深めませんか?
(研修医・医学生は参加費無料です) 定員:30名
主催 富山県保険医協会
お申込みは電話、メールまたはFAXにて
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