2014.09.27  「有病者の歯科治療」研究会

歯科診療を変えるくすりの知識
~おくすり手帳から全身状態を読む~

9/27に開催しました

歯科くすり会場(軽い) 協会は9月27日、有病者の歯科治療研究会「歯科診療を変えるくすりの知識」を開催しました。歯科医師など43人が参加。
 講師を務めた医療法人明和病院(兵庫県)の末松基生先生は、医師の後期研修医と同等の知識が歯科医師に求められる時代、と述べました。

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末松と き 9月27日(土) 19:00~21:00

ところ 富山電気ビル 5階中ホール

講 師 医療法人明和病院(兵庫県)歯科口腔外科部長 
    末松 基生 先生 

対 象 歯科医師・歯科スタッフほかどなたでも参加できます

 迫り来る超高齢化社会を睨んで、医科においては生活習慣病やがんの国家的対策により健診の機会も増加し、その結果、疾病の掘り起しが進み、対応する薬剤処方が増加の一途をたどっている。さらに新薬の開発もめざましい。一方、歯科領域では若年者の齲蝕診療は減少の一途で、全身疾患を複数抱える高齢者に対する総合診療の機会が飛躍的に増加している。歯科医師はこのような社会情勢を踏まえ、医科の薬剤処方をより深く理解し、安全な歯科診療を提供する必要に迫られている。しかし病識のない患者は非常に多く、歯科医院において全身状態を正確に問診で把握できるケースはまれである。

 重要なヒントとなるのが「おくすり手帳」である。いくつかのキーになる薬剤を覚えるだけで使用薬剤から全身状態を推定することが可能になる。既知の疾患別に診療上の注意点を列挙する成書は多数存在するが、そもそも病識がない患者に応対する現場では役に立たないことは皆が経験していることであろう。本講演では現場を想定して、病識のない患者の「おくすり手帳」から全身疾患を推測し、患者・歯科医師相互の危険を回避する方法を述べる。薬剤については本年発売された新薬までフォローし、一般名ではなく商品名で解説する。また、時間が許せば自身で処方する薬、特に抗菌薬、鎮痛薬、局所麻酔薬、粘膜疾患用薬剤などについてその基本とup to dateを、最新のevidenceを基に解説する。                         (末松 記)