ハガキや手紙で寄せられた 思い・意見

当時(平成5年)のとやま保険医新聞11月15日付特集号及び12月1日付特集号より

  保険医新聞をみてはじめて知った

●とやま保険医新聞をみて、はじめてこの事件を知った。何故新聞にでなかったのだろうか。大変残念で、読みながら胸が痛くなり自分もここまで言われたら同じ事になったかも知れないと振り返ってみた。下手に反論すると他のことでやり返されるので、小役人の機嫌をそこねないように、という院長の指示で当時「指導」を受けたことを思い出す。
 川腰先生はきっと真面目な医師だと思う。こんなにやられたら治療できなくなるだろう。  
「指導」が懇切丁寧に、というのは驚きだ。「指導」とは権力を持った技官が遠慮なく医療側を不正と決めつけて叱ることのできる一方的な場だと思っていた。今回を機会に技官を常に監視し、不良な人物は罷免するようにすればこの様な事件は未然に防げるのではないだろうか。(勤務医)

  不正請求を前提とした態度

●最初ニュースを聞いたときは、不正請求でも指摘されたのかと思っていましたが、号外を読んで怒りを感じました。弱い者いじめとしか思えない暴言です。個人的な感情の差(言ってみればその時の機嫌)によって指導されてはやりきれません。  
 個別指導を私が受けたとき「開業医は不正請求をしているもの」という前提で、私の言葉尻をとらえて言われる態度にはびっくりした記憶があります。行政からなんらかの対応が得られるまで追求を続けてください。(氷見市・歯科)

  もっと早く相談してほしかった

●内容から察するに萎縮診療を目的とした個別指導としか考えられず、そこには医師の裁量権も存在せず又、査定のための理論構築や学問的裏付けもない様に思えてなりません。指導という名の「言葉の暴力」です。
 このような指導が今回のみでなく、かなり以前からあったにもかかわらず、県医師会の対応のなさ、遅さにも腹立つ思いです。こんな事態になる前に協会にもっと早く相談してほしかった。本来の指導の姿にもどるよう協会に期待します。(富山市・歯科)

●新聞報道では、県保険課の比田井恭一課長は「事情を調べたが、指摘されたような発言は確認できなかった。通常・・・云々」とあるので、今後は個別指導時には、立会人ばかりではなくテープレコーダーによる記録をしておくべきである。(西砺波郡・眼科)

●医師の未来を失った心情を察すると胸が熱くなる。医師が明日からの診療意欲をなくすような個別指導は指導ではなく、罪人を裁く裁判か検察のようで許せない。医師の行為がそれぞれの価値観に基づいて治療を行なうわけであるから、経験や知識によって差かあるのは当然である。それを一切無視して相手の人格を否定するような強圧的な言動は人権の侵害に値する。
 今回の事件で県医師会の態度が全く消極的であったのは、全医師会員の不信を招く態度に他ならない。(富山市・内科)

  「自主返還」とは真っ赤なウソ

●まことにお気の毒です。地域医療に真面目に立ち向かっている若い命を奪った傲慢で横柄な県保険課職員一同に強い強い怒りを覚えます。信念をもって行なった診療行為を単なる金額の面だけで査定する。「おまえの所は他より平均点が高いのはけしからん」と。
 私が国の共同指導を受けましたその時は、過去六ヵ月間の診療行為が対象であると聞かされたのに、県は2ヵ年にさかのぽって対象月を決め、返還金額が自分たちの予定額に近づくよう何度も何度も執拗に金額の増額を要求し、改善報告の文章も一言一句県職員の思い通りの文にするよう迫った。
 自主返還とは真っ赤なウソ、まさに許認可権をふりかざした強奪そのものである。病院をやめる覚悟がなければこれを糾すことは出来ないと思った。県医師会は何故日頃から厚生省の方針を医師会員に伝え、指導しないのか。突然の理不冬な「返還」という名の強奪に無関心を決めこむ県医師会長の責任は限りなく重い。(下新川郡・内科)

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