課題の多い慢性期医療だがやはり療養病棟は必要だ
光ケ丘病院副院長 笠島 眞
慢性期医療主体の民間病院の生きる道を求めてということで、当院の現状、課題、将来展望について、お話ししたいと思います。
病床の構成は、一般病棟が31床、特殊疾患病棟が36床、医療療養病棟が54床、介護療養病棟が116床です。平均在院日数は22.7日です。医療療養病棟は医療区分の2、3が96%を占め、介護療養病棟は要介護4、5が9割以上を占めています。
入院時の主病名は、呼吸器が一番多く、循環器、消化器と続きます。入院経路は、当院で診ていた在宅患者さんが34%と最も多いですが、実は大腸ポリープ切除術の入院が約3割を占めますので、実態は市内4つの公的病院からの紹介がかなり多くを占めています。残念なことに、診療所からの紹介が5%とかなり低く、病診連携がうまく進んでいません。退院経路は、残念ながら亡くなられる方が半分を占めています。
病棟別死亡退院割合は、一般病棟や医療療養病棟が多いのは医療必要度が高いということで当然なわけですが、注目していただきたいのは介護療養病棟が21%と高いことです。
地域医療確保のために求めたいもの
一般病棟の13:1看護職員確保が困難な地域性を考慮し、継続してほしいという思いを持っています。特殊疾患病棟、これは将来どうなるかわからない病棟なのですが、存続しないと医療難民を生むのではないかと思って懸念しています。医療療養病棟は、医療必要度の高い患者が本当に増えてきています。そういった意味で、医療区分3の状態が重複したような場合はぜひ評価をしてほしいという思いがあります。介護療養病棟に関しては廃止方針がありますが、看取りの場所確保の意味でもぜひこの病棟は残してほしいと思っています。また、廃止された「重度療養管理」をぜひ復活させてほしいと思います。
当院、いろいろな課題が多いわけですが、これらの課題を少しずつ解決・解消しながら、良質な慢性期医療を主体とした、地域に密着した地域完結医療を目指したいと考えています。