2012.3.21  歯科 新点数検討会に117名 

 協会は3月21日、歯科新点数検討会を開催し、91医療機関、117名の参加がありました。 冒頭、矢野会長が開会挨拶を行い、「今回新設された『周術期の口腔管理』をはじめ、協会の役割である医科歯科連携の推進にいっそう取り組んで行きたい」と述べました。  
 新点数の説明では、今回初めて藤岡理事と小林理事が改定のポイントを解説し、太田副会長が会場との一問一答を行い、「今次改定の活用方法」をわかりやすい表現で紹介しました。

 「多職種連携」と「在宅」に 歯科からも参加を

歯科新点数検討会で開会挨拶を述べる矢野会長

 厚労省は、これから高齢者がピークを迎える2025年に向けて、持続可能な社会保障制度をめざすとしています。わかりやすく言えば、医療費のかかる入院医療から、比較的安上がりな在宅医療や地域の介護力でケアしていこうということです。それまで合計七回の診療報酬改定は、すべてその方向を強めるとしており、今回はその一回目と言われています。  

  たとえば医科の改定では、入院後はすみやかに退院させて、在宅や長期療養施設が受け入れて、地域での包括的なケアをすすめるとしています。そのため在宅医療でがん患者のケアと看取り、訪問看護と介護の連携への点数配分が際立っています。また医師同士だけでなく、医療や介護に関わるいろんな職種の人たちとの連携を図ることも、今までにない点数をつけられました。これもさきほどお話した2025年に向けての大きな流れの一つの表れだと思います。

  歯科のほうでも、のちほど説明があると思いますが、周術期の口腔機能管理が新設されました。これは歯科の先生方に病院と連携して、がん患者の予後に力を発揮してほしい、ということです。また訪問歯科診療の患者要件から「寝たきり状態等」という文言がはずされました。これも在宅医療に積極的に関わってほしいという厚労省のメッセージだと私は思います。

 協会は県内で唯一の医師と歯科医師が一緒になって活動している団体です。今後とも、医科と歯科の垣根を越えて、共通の課題にむかって連携していきたいと願っております。

歯科新点数検討会の講師を務めて

  貴重な経験に感謝したい                理事  藤岡 祐紀乃

 ”講師”を務めることは私には正直荷が重く、保団連での会議の内容を伝える代弁者という意味で受け止め、間違ったことをお伝えしないように、聞き取りやすく話すことを目標としていました。  

 しかしながら、大阪での会議に参加し、全国の講師を務める先生方や事務局の活発な議論、会員に必要な情報を正しく伝えようとする真摯な姿勢、会員へ配布する資料の詳細な推敲などを目の当たりにして感じたことは、富山県保険医協会が、頼りにされる協会、より良い医療を目指している団体であることの再認識でした。

 そういった意味では、私の当初の目標が不足していたと深く反省しています。いつも、そして今回も、会員の先生が明日からでも役立つよう具体事例を挙げて説明されていた太田先生は、大義と趣旨を理解されている、そのように思いました。
 今回勉強させていただき、この度の貴重な経験に感謝しております。

     歯科訪問診療の充実につながれば…  理事  小林 岳志

  当日は歯科訪問診療関連について今回の診療報酬改定に伴う要点を、ごく簡単ではありますが解説させていただきました。  

 訪問診療は今後ますます需要が増加します。それに伴い歯科医師側の努力もより一層必要になってくると思われます。今回の改正では訪問診療料1の点数アップ、さらに、今まで訪問診療に出向いていいものかどうかが曖昧で、多くの歯科医師が実施に二の足を踏む要因となっていた『常時寝たきり等』という文言が撤廃されました。また歯科衛生士の診療補助加算が加わり、歯科訪問診療への充実が図られたと思います。  

 今回の改正により、多くの先生方が訪問診療に前向きになられるならば、患者様のQOL向上に繋がるのは間違いないと思います。現在、歯科医師の訪問診療を望まれている患者様は数多くおられます。今回の改正がお互いの福音となることを切に願います。