2012.10.17  研修会:在宅医療請求ルールの勘どころ

 

  10月17日、保団連発行の『在宅医療点数の手引』をテキストに、研修会「在宅医療請求ルールの勘どころ」を開催しました。講師は東京保険医協会の栗林令子事務局次長が務め、会員43人を含めて計142人が参加しました。
 研修会では在宅医療点数の解説、算定時の注意点・カルテ記載のポイントなどについて説明。質疑応答で栗林氏は豊富な知識と経験を生かして、個別の事例について的確にアドバイスしました。                                             

なぜ在宅点数がわかりにくいか

理事  成瀬 隆倫 

 在宅医療の点数は非常にわかりにくい。そんな思いは誰でも持っていると思う。今回の講演ではそんな先入観を払拭するため、なぜわかりにくいのか、在宅医療における点数算定のコツについての解説から話が始まった。
 まず、在宅点数が難しいと感じるのは、点数の名称が似ているうえに同じような名称でも算定区分が全く違うことがある、ということである。これらはちゃんと点数の名称と算定区分を覚える必要がある。
 次に届け出が必要な点数があること、わかりにくい算定にも実は原則があることを理解することである。そして最後はやっかいな医療保険と介護保険の給付調整である。介護保険が医療保険に優先するため、介護保険利用者では医療保険に請求できる点数に制限がある。訪問看護が介護保険を利用している場合と医療保険を利用している場合、さらには介護施設利用者において確認が必要である。これらの原則を理解して『在宅医療点数の手引』を読めば、抑えるべきポイントが見えてくる。講演会では個々の点数説明が行われたが、時間の制限もあり、すべての医療機関に必要な点数説明としては限界があったかと思われる。個々の医療機関で再度テキストを読み返していただきたい。

わからない点は遠慮なく協会へ
 在宅医療においては算定要件を満たしているかが問題になるが、その多くはカルテ記載の問題である。指導管理が計画的に行われているかをカルテに記載するわけだが、これらについてのひな形が例示されたので必要な医療機関では活用できるのではないだろうか。  最後の質疑応答で、具体例をもっと詳しく聞きたいと感じたが、時間の制約もあり、いくつかの質問に答えてもらうことは出来たが十分とは言えなかった。講演会だけではわからなかった点があれば遠慮なく協会に相談してください。


 在宅医療点数の手引 2012年度 改定版

発行 保団連
体裁 B5版760頁
定価 4,000円

会員価格 3,000円(送料・税込み)

 ご注文は協会事務局まで

 

                   (2012.11.15 とやま保険医新聞)